移行上皮細胞と円柱上皮細胞の鑑別について 尿中に出現する大部分の細胞は、形態学的特徴と結合性などの 構造的特徴によって鑑別が可能です。今回の問題では、後者が有力な手がかりとなります。つまり、目には見えない組 織構造を把握しているかどうかが重要と思われます。 写真に示した細胞は、細胞の一端(冊子縁)の部分で結合しており、柵状配列が示唆されます。これは、腺系細胞の 特徴であり、最も有力なのは尿道の円柱上皮が考えられます。したがって、細胞の形態学的特徴によって鑑別せずとも 結合性などの構造的特徴によって鑑別が可能な場合もあります。ご存知とは思いますが、再度、腎・尿路系の各組織 構造について見直してみてはいかがでしょうか。 (文責:都臨技一般検査研究班) |表紙に戻る | 質問コーナーに戻る |