尿沈渣検査法2000では、細胞由来が特定困難で細胞質内に封入体を有する細胞を細胞質内封入体細胞とし、 組織球や単球系の活発な貪食能を有する細胞を大食細胞と記しています。 つまり、ここでの重要なポイントは大食細 胞が血球系の細胞であるということです。 血球系の細胞は、比較的細胞の辺縁が、「ひはく」で不明瞭なことが多いです。ましてや、組織球(マクロファージ)由来 の細胞であれば不明瞭で細胞質が綿菓子状です。一方、上皮細胞は外界からの刺激や障害から自己を守るため細胞 の辺縁構造がしっかりとして線で追えるくらい明瞭です。ポイントは、細胞の辺縁構造につきると思います。 しかし、日常業務で遭遇する場合は鑑別困難ことが多いため、臨床情報や検査標本中に出現している細胞および背景 に注意して総合的に判定することが重要と思われます。 (文責:都臨技一般検査研究班) |表紙に戻る | 質問コーナーに戻る |