Q and A

 41.定性試験と定量検査や尿沈渣検査などの他法との乖離について教えてください。
    
*類似したご質問でしたので、まとめて回答致します。

   その1
   ○尿定性試験においては偽陽性、偽陰性がありますが、特に尿蛋白についてはPHが8.0以上の
    際は蛋白定量検査を行って結果を報告しております。
    しかし他にもいろいろありますが、例えば尿沈渣のデータと尿定性検査が乖離する場面にはしばしば
    遭遇いたしますが、臨床へどのように報告するのが望ましいとお考えでしょうか?当院では蛋白以外には、
    定性でビリルビンが陽性の場合はイクトテストで確認しております。それ以外の項目においてどこまで検査
    を実行して定性値を報告するのかどのように臨床に報告するのかご意見をお聞かせください。

                                               (大分県 O病院 Yさん)
   その2
   ○尿定性の潜血と尿沈渣RBCのアンマッチについて教えてください。
    アンマッチについて血尿診断ガイドラインの表2にも解釈の仕方が記載してありますが、アンマッチになった
    場合、たとえば潜血(3+)の尿沈渣RBC 1未満(極論ですが…)といったデータの場合どのような報告形
    式が臨床にとって一番良いのかアドバイスお願い致します。

                                            (東京都 ◎センター Sさんより)
 質問の回答

 
 41.定性試験と定量検査や尿沈渣検査などの他法との乖離について

 A. 定性試験で再検査が必要な項目はいくつかありますが、測定原理から偽陽性や偽陰性が考えられる
    場合と、自動分析装置の誤判定が考えられる場合に分けることができます。

    ご質問にあるようにアルカリ尿の場合、蛋白が偽陽性となる可能性があるため再検査を行いますし、
    ビリルビン陽性の場合は装置の誤判定を疑い再検査を行います。施設により再検査を実施する項目や
    実施方法など異なり、報告形式も様々です。使用する自動分析装置にもよるところがあるかと思われます。
    しいてあげるならば、ケトン体や亜硝酸塩も分析装置の誤判定により陽性と判定されることがありますの
    で再検査を実施する必要があるかと思われます。

    また、尿沈渣との項目間チェックが必要な項目として潜血反応・白血球試験・亜硝酸塩・ビリルビンがあげ
    られます。
    特に、潜血反応と赤血球との乖離を認めた場合、定性試験の再検査が必須と思われます。潜血反応が
    陽性で尿沈渣に赤血球を認めない場合、ヘモグロビン尿やミオグロビン尿を疑うことから、乖離した結果
    に臨床的意義が付加されます。
    このような結果で赤血球が少数でも認められ、さらに溶血傾向(脱ヘモグロビン)をみとめる場合は、乖離
    の原因として溶血が考えられますので臨床へコメントを付記する必要があると思われます。

                                                   (文責:都臨技一般検査研究班)

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