34.炎症等による細胞の異型と悪性細胞の異型の区別について
A. 異型細胞の中には、良性異型と悪性異型があります。
しかし、尿沈渣検査法2000では悪性もしくは悪性を疑う細胞のみを異型細胞とするため、
炎症等による細胞の異型については、正常細胞にカウントします。
しかし、ルーチン検査において異型と判定するかどうかを迷う時があるのはわれわれも同様で、
そのような症例に遭遇することは少なくありません。
対応策としては、第一に正常の扁平上皮細胞、移行上皮細胞、腺上皮細胞(尿道,前立腺、子宮内膜,大腸)
などの形態学的特徴を把握することが最も重要です。
さらに、検体ごとに正常細胞の形態学的特徴と染色性を把握することが重要です。
つまり、柔軟に検体ごとにコントロールとなる細胞を見つけ出し、その細胞からどのくらい逸脱しているかを
観察することが異型細胞の鑑別方法となるわけです。
異型細胞の鑑別方法については、施設内の一般検査担当者が誰でも同じく異型細胞の鑑別を行えることが
望ましく、客観性を重視するため、各施設における共通の判定基準を作成しておく必要があります。
その一例については、「そこが知りたい尿沈渣検査(医歯薬出版)、P79.表X-2異型細胞を判定するため
の基準(チェックシート)」を御参照ください。
参考文献
「そこが知りたい尿沈渣検査;P79.2006年 医歯薬出版」
(文責:都臨技一般検査研究班)
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