Q and A

1.ミオグロビン尿に関して教えてください。

 尿定性にて蛋白2.0g/dlと高値にもかかわらず、沈渣中に円柱は見られませんでした。(尿細管上皮細胞は1-4/1HPF)、尿の色調は赤褐色、血中CPK1000IU/Lと高値、横紋筋融解症と診断されていることから、ミオグロビン尿だろうと推測しましたが、確定する為にはどうすればよいでしょうか。また、ミオグロビン尿で尿蛋白が2.0g/dlという高値になることもありますか?
BUN,クレアチニン等は正常で検査所見からは腎機能は正常かと思われます。
                                                           (山梨県 K病院 Tさん)
 質問の回答

ミオグロビン尿について

 心筋,骨格筋などの筋肉が、何らかの機序によって傷害,壊死に陥ると血中にミオグロビンが放出され、尿中に排泄されることで暗赤褐色のミオグロビン尿が認められます。その原因としましては、crush症候群を原因とした横紋筋融解症などがよく知られています。また、ニューキノロン系合成抗菌剤,抗パーキンソン剤,全身麻酔剤などの薬剤によってミオグロビン尿を引き起こす可能性があることも頭の片隅においておくべきでしょう。

 確定診断するためには、臨床情報が最も重要です。検査データとしましては、血中・尿中ミオグロビンや、血清CPK,アルドーゼ,GOT,LDHなどの検査所見が高値を示すため診断可能と思われます。
 鑑別をようするものにヘモグロビン尿があります。両者の鑑別には、Blondheim塩析法があり、濾液が着色していればミオグロビン尿,無色透明であればヘモグロビン尿と判定されます。

 今回の症例に関して、尿定性にて蛋白が2.0g/dlと高値を示したにもかかわらず、沈渣中に円柱が認められないということですが、これはBUN,CREなどの検査所見より腎機能は正常に保たれていると推察できることから腎前性蛋白が考えられます。横紋筋融解症による尿中へのオーバーフローであり、腎性の主体であるアルブミンではないと思われます。このことから、尿中にTHPとアルブミンを主成分とする円柱が認められなかったのではと考えます。しかし、高頻度に急性腎不全を併発するため、この場合は円柱が形成されることもあり尿中に認められます。また、急性尿細管壊死に陥った場合には多数の尿細管上皮細胞も認められます。

 治療としましては、横紋筋融解症を生じた原因に対する処置と急性腎不全の発症予防で、急性腎不全が発症している場合には、適切な血液浄化療法(血液濾過透析)が重要とのことです。


                                                           (文責:班長 横山 貴)

表紙に戻る | 質問コーナーに戻る |

使用上の注意

○本サイトの著作権は、東京都臨床検査技師会一般検査研究班が所有します。他メディアに使用する際には必ず許可を得てからにしてください。
○本ページのURLは変更する場合がありますので、本ページに直接リンクするのはご遠慮ください。